出雲阿国
季節は春、大自然に生気が満ち溢れ、まるで華やかな絵巻のようだ。
あなたは鳳鳴山の頂上の東屋に立ち、静かに遠方の村を見つめている。
出雲阿国: 陛下、お体の具合でも悪いのですか?
我 : どうして分かるのだ?
出雲阿国: 今日の陛下のお顔は憔悴していて、目つきにもやや力がありませんから。
きっと…風邪を引かれたのでしょう。
我 : おそらくな。確かに朕は少し疲れている。
もしかしたら最近冷え込んだのに、うっかりしていたせいかもしれぬな。
出雲阿国: 梨の絞り汁をお飲みになると、肺を潤し、熱を下げるそうです。
陛下、お試しになられてはいかがですか?
我 : 妃嬪はどこでそんなことを知ったのだ?
出雲阿国: 私は幼い頃から体が弱く、病気がちでしたので、宮中の太医たちに年中診てもらっていたのです。
時が経つにつれて、色々と詳しくなりました。
我 : やはりそなたは一番気が利くな。
出雲阿国: 宮中に帰りましたら、わたくしが梨のスープを作って、陛下の風邪を良くしてさしあげます。
よろしいでしょうか。
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