光源氏
人通りが多く賑やかな街で、若君が一人見つけました。
光源氏: 占いは如何かな?
お待ちください。あなたとは縁があるようだ、拙僧の話を聞いてくださらぬか?
我 : 私は一文も持ってません。どなたかとお間違えでは?
光源氏: 私は富貴な人にたかろうというのではない、縁有る人を探しているだけだ。
人相と手相に長けているが、どちらになさるのかな?
≪人相≫ 我 : では人相でお願いします。
光源氏: あなたの人相は、人中がくっきり、鼻は高く、唇は赤く、歯は白い…
≪手相≫
光源氏: 標準的な富貴の相ですな。ただ残念なことに、欠けているものが一つあって…
我 : え、何が欠けているんですか?
光源氏: (微笑して)あなたの人生に私が欠けている。
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